自分とはなんだろう?

「お前のため」「親の愛は無償の愛」「人並みに」などと言われて育てられました。「あなたがとってもいい子だから鼻が高いわ」「手がかからない子だったんです」

親が子育てのプロのように私たちが子供のころは受け止め、それに従うことで生きてきました。それは違う事に大人になるとわかります。第一子は親は初めての子育てです。

別のケースでは、「あなたはダメな子」「私がいないとこの子はダメなのよ」と愛情を注がれて守ってもらっていたように思い込もうとしていました。しかし、それも少し違うようです。あなたがダメな子だと言い聞かせて自分の力を誇示していた可能性はどうでしょう?

「あなたが居たから(不幸な家庭も)我慢してきた」「あなたのせいで離婚できなかった」とあなたに「自分が存在していることで親は不幸になった」とすり替えを信じ込ませる親もいます。

レフ・トルストイは「すべての幸福な家庭は互いに似ている。不幸な家庭はそれぞれの仕方で不幸である。」と小説の冒頭に書きました。どうお感じになりますか?

あなたは自分の人生を歩いていますか?

自分の不安を子供に押し付けていませんか?

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執着しているのはあなた?親?

  • 「親への育ててもらった恩を覚えていなければならない
  • 「親子の絆や家族の絆が強いという美談」
  • 「愛に満ちた家庭に育ったと思いたい」

これらの思い込みは親子関係の悩み、苦しみ、生きづらさを紐解いていく際に見直すことが大切になってきます。自分が存在していてもいいという条件にしていることもあるでしょう。あなたは「感謝をしなくてはいけない」こととの引き換えで存在しているわけではないでしょう? 引き換え、条件付きという思考はそこに明確な言語がなくとも「支配」「被支配」「共依存」という関係性を生みます。

親を支えなくてはいけない。親も期待しているし。とその重荷に苦しんでいても、親に対してそういう「負」に思えることを感じてはいけないという葛藤を抱えている方がとても多いのです。親も「生んであげたし、育ててあげたのだから当然の要求」と子供を支配する権利があると考えているケースもあります。

「親孝行」はもしそこに根拠がなくても疑問を持つことすら悪のように思わされる強制執行言語のように感じます。

「生み育ててあげたからには私を背負うという契約を守ってもらわないと」(その約束は本当ですか?いつ契約しましたか?)と言葉では言わなくても気持ちが伝わるから辛くて苦しいのです。先に述べた美談を守ろうとしているのは子供のほうだけ。これが子供にとって深い孤独、「生きている感じ」の希薄さにつながているのではないでしょうか?

あなたは親なのだから私の面倒を見て当然。と子が親へ「親の愛」を試す場合もあります。扶養義務と子供を幸せにする責務はまた別の問題です。「家族」「親子」という言葉の認知を一度確認してみるのをお薦めします。

存在していない愛の偶像に執着しているのは、あなた?それとも 親?

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成果には興味があるけど、あなたの個性には興味がない

いい子でいて、成績が良い、聞こえのいい学校、会社、仕事に就くと、親はいかに我が子が世間的に素晴らしいかを喜こんでほめてくれます。努力しても「まだまだ気を緩めるなよ。」と一切ほめない親もいるそうです。厳しさが愛という考えによるものかもしれませんし、親自身もほめられたことが無くから「わからない」ことだってあるのです。

  • 親子愛とはなんでしょうか?
  • 親とはなんでしょうか?
  • 子供とはなんでしょうか?

親はあなたの性格や好き嫌いに興味を持っていますか? いい子じゃないあなたにも関心を示しますか? それともあなたに過剰介入していますか?過剰執着をして巻き付いているでしょうか?

親が興味を持っているのは「親自身が世間からどう見られるか?」だということを感じたことはありますか?

親から守られたことはありますか? 親が子供のあなたをさておき、自分自身を守ることを優先したような出来事はありましたか?

親も当たり前の一個性です。勘違いもするし、間違いも起こします。内面が成熟しているとは限らない「普通の」人なのです。親すらその親から同じように育てられそこに疑問を抱かなかったならば「親子の関係の作り方を知らない」「夫婦の関係の作り方を知らない」ケースもあるのです。

常識を信じるのでなくて、関係性を改めて考える

悩みがどこから端を発しているのか、どういった関係性から苦しみが生まれているのかを辿っていくことが大切です。

幼少のころは庇護のもとに生きているので親の発言や態度を盲信して学習します。しかし、大人になるにつれ「言っていることとやっていること」の違いなどに気が付くようになり、子供の自我と個性も育っていきます。

年齢を重ねていき、今の自分を「親のせいにしてばかり」にして憎んだり恨んだりする時期もきます。しかし、次にはそれだけではどうにもならない時期が来ます。それではあなたが「自分の不幸は親のせい」にしている「親」と同じことを繰り返すことになるからです。自分の価値観と、人との関係性について再構築する時期が来たらどうぞゆっくりと取り組んでください。

あなたが心の中で、まだ幼かったあなたと親との会話を現在も繰り返していたり、再現しているのならば、その内容に今のあなたの問題を解く鍵があります。どのようなサイコドラマ(心理劇)が繰り広げられていたのかに焦点を当てていきましょう。

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自己認知

私たちは親子関係を含め、様々な人間関係で悩みます。共通しているのは大切なのは自己認知とその苦しみを感じる関係性です。

  • 親と自分(子と自分)(親である自分とその親)を区別する
  • 境界を確かめること
  • 義務感ではなく、自分の感じ方を確かめること

親子関係の悩みの対処はここからスタートです。

親子関係は、ほかの人間関係に影響しています。丁寧にゆっくりと継続して紐解いていくことをお薦めします。

わたくしも親子関係について、「そんな捉え方は子供らしくない」「親を尊敬してない」「可愛げがない」「感謝する心がない」等の精神論を言われたこともありましたが、時代は変わり今ではこのような関係分析に関する書籍も多く出版されています。風向きが一気に変わりました。お陰様で「偏屈な人」「生意気」から「そういえばそんなことを言ってたな」に昇格?したでしょうか?(笑)

このような経験からも美談や常識ではなく、自分を知る行動(自己認知)に取り組まれることをお薦めしています。

一人で悩まずに、カウンセリング沖縄/心体カウンセラー™武田美紀へご相談ください。

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手に入りやすい1冊

「絵にかいたような幸せ家族」を目指すものの、しんどさを感じている方はご一読ください。

 

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