孤独を感じ、苦しい。感じ方は様々。
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価値観は様々でも、孤独を感じることは共通している
安心・安全な場
上のコラムの続きで、取り上げているのはAppleTVの番組「あなたに見えない、私のこと」です。
前回触れていませんが、番組で強迫性障害のオリンピック選手(ボクサー・女性)が取材に答えていました。
彼女(GINNY)は、彼女が気になる「汚れ」に関して強迫観念を持っているのですが、それについて
汚れた感情のせいで汚れた人間になる
ということを避けたいあまりに「汚れ」に過剰に反応しているという自覚を語っていました。
本当に大変な想いをされていることが伝わってきましたし、それは眠れないことをはじめとして生活を圧迫していたし、やめられないという言葉も心の叫びなのだと理解できるような気がした。番組の中ではエスカレートしていく様も映されていたし、語られていた。
また、
隠すと不安が強くなる
とも。
カウンセリング・セラピー・ケアで、「安心・安全な場」について話題にされることがある。自分自身をそういった「場」にできたら理想的なのかも知れないが、やはりそれを外へ、外へと求めていく傾向がある。
そんなことが頭によぎった。
エピソード3「特効薬をさがす」
番組のこの章では、眼球運動を取り入れた脱感作と再処理法について触れられていた。
私も心体カウンセリング™ ・セラピー・ケアで取り入れている手法だ。
そして、いつもとは違う客観性をもって映像を見ていて気がついたことがあった。
それは、深部のリンパドレナージュやヘッド&フェイシャル経絡トリートメントという手技を行っている際に、クライアントが無意識に眼球運動をされていることです。
BODYケア、BODYからのストレスケア・アプローチということは非常に良いと実感していますが、ひょっとして、眼球運動を取り入れた脱感作と再処理法をクライアントの身体が自然に行っているという可能性があるのかもしれないと感じました。
- 私が、あえて眼球運動を取り入れた脱感作と再処理法を促して、クライアントに行って頂くこともあれば、
- 私がそれを促すことがないのに、手技を通して(手技を受けた反応として)クライアントの身体が誰に教えられることなく同様の動作を行っているという可能性について検討し始めました。
大抵は、ただいきなり施術をすることはなくて、施術の前になにかしら対話を行っていますし、施術をしながらクライアントが気になっていることについて対話をすることもあります。その対話を経由しての「自発的な眼球運動を取り入れた脱感作と再処理法」だという意味があるのだとしたら、人間の心体は神秘に溢れていて、私たちがわかっていることはほんのちょっぴりだな。なんて気持ちになりました。
私は今日現在、
テクニックの前に対話。話を聴こう!
というような事も心がけていますので、
HARRY(ヘンリー王子)の
自身の真実に従って生きていれば何も恐れるものはない。
という言葉を聞くと、この「自分の真実」の中には「ご本人の身体」が含まれているんだ。なんてことも感じてしまった。
そういった、クライアントの回復力を信じる事だなぁと。
数日で目指した回復のラインへ届く方も、数年かかる方も、数十年かかる場合もあるかもしれないが、クライアントが矛盾も逆転も葛藤も理由付けもなく(あぁ 回復したい)と純粋に願うラインには願うペースで到達するような気がしている。
特効薬というのは、自分(の回復力)だという視点もあると思う。
自分のリソースの使い方とも言える。
そして、その自分の回復力のスイッチを入れるのも自分だと考えてみては?
俺(私)が治してやる。俺(私)のテクニックでしか治せない。大切なのはゴットハンドである事だ。
というようなご意見もあるし、実際にいらっしゃるのかもしれないからその方面についてはそういった価値観を好まれる同士にお任せしたい。
エピソード4「互いが必要」
自分を愛するとはどういうことか?
自分を愛するとはどういうことか?と語られていた。
HUSSAINは
- 自分を見つめ直す時間が必要 (自分を愛するには必要な事だという意味だろう)
- 自分にとって最善の何かを探すこと
だと表現した。
この最善の何か。には、「自分を信じてくれる人(の存在)」と言われていたような部分があったように思う。
また、最善を知るために脳の中を絞りだして書くという行為を「セラピー」と感じる方も居た。
救いとは何か?
救いとは、
人の感情を受け取ること
とされてもいた。
ケアファーム(動物によるセラピーという意味合いも含んでいるが、利用者同士の関わり合いや環境を運営しているスタッフとの対話などもあるようで、世界中から訪問者があるとのこと)を訪れているDAVIDは
心が壊れた人は壊れたままでいい。何もしなくていい。する必要がない。
と考えているが、動物と触れ合い、お互いの感情のやり取りを感じているように映っていたし、私にも経験があるがDAVIDにも動物に支えて貰っているという感謝の気持ちがあるようだった。
動物たちや、同じ施設の利用者、施設の運営スタッフがお互いに「感情を受け取りあっている」ように私には見えた。
双方向だと思えた。
だから、感情を受け取って欲しい余りに、感情をぶつけるという事とは違うと思う。これでは一方通行だし、相手を自分のために(利用するためだけに)存在させてしまう。
お互い。と言いながら、実際は「自分だけ」なんてことってある。それに気がついたら良いし、次からその体験を学びに変えたら良いだけだ。親が「子どもの為」と言いながら自分の欲求を満たしたいだけなんてケースも類似案件として挙げられるのかもしれない。そういう環境で生育すると、こういったやり方が(前回のコラムにある)「世代の悪循環」として継承されていくこともある。だから、親から受けた態度については、自分が継承していないかどうかを意識していた方が良い。
なんだか良く分からないと思われた方は、一度ご自分の感覚で番組をご視聴願いたい。
あなたの価値観で番組を視聴して頂きたい。
エピソード5「これが私」
死にたくはないが、今の生活もイヤだ。
このセリフを耳にして「そう! その感覚!」と思った方も多いのではないだろうか? 私も昔、まさにこういった感覚があった。
そして、同時に
「どうすればいいの?」と思うが、「わからない」ために活路を断たれたような気持になった。
わからない時間を長く過ごし、その後、活路としてストレスケアがあることを知った。それが心体カウンセリング™ ・セラピー・ケアだ。
身体からのアプローチがこんなに有用なんだ!と知ったわけです。とても嬉しかった。今でも心体カウンセリング™ ・セラピー・ケアのスキル・手法を精査したり、バーションアップしています。
制限の多い団体などに属していないため、精査もバージョンアップも誰に阿る(おもねる)必要がないため、非常に正直に、これは良い!と思える手法・スキルをご提供しています。
そういった意味で、ホームページのコラムにも正直に意見を書ける。有り難いことです。
自身の真実に従って生きている
と言えるだろうか?
自身の真実を知るために
この章では、薬物療法を利用した治療について紹介されていましたが、
薬物を使用する、しないに関わらず、回復へのSTEPは共通しているように感じたのは、回復・可塑性が働く時に
- 抵抗
- 原因に蓋をする
- 生きていると実感する
- 継続・鍛錬
という1から4への流れについてでした。
言葉を変えると
- 解放するのが怖い。弱る。
- 原因・トラウマを理解できる。ブレイクスルーする。
- 感じ方、感覚が変わる
- 一時的な達成感で終わらせず、セラピーの効果を持続させる努力をする
こうなるんだと思う。
- 視点を変えるという事を習ってこなかった。
- 安全だと思える場所がない。
と言うような事も自分を知る時の手順と関係しているようです。
エピソード6「前へ進む道」
為になる良い話は多かったのですが、
会話、対話、コミュニケーションなど話を聴く事から始める。答えや解決法、アドバイスは無くてOK。
ということと
苦悩も人生の一部。人生の辛さを受け入れる。
この2つを挙げることにします。
人生の辛さを受け入れるということは、
- 逃げているのに気づく。
- 誤魔化していることに気づく。
- 理由付けをしていることに気づく。
- 痛みを感じていることに気づく。
というような事でもあると考えました。
これらを責めるのではありません。自己を罰するのでは決してなくて、「気がついて、認める」。
すでにそれらは過去なのだから、それらが弱さだと感じたら、認めればいい。
それを恥=失敗と考えるから自分を誤魔化そうとしますが、もう丸っとそのまま、恥だと思った事も、失敗と感じた事も、誤魔化そうとしたことも認めてみてください。
あなたが弱いように、他人も弱いです。
あなたが自分の弱さを否定したり、嫌ったりしている間は、他人のそれも許しにくいもんですよ。
自分も他人も、(そりゃそうだ。人間だもの。)と思えたら、不思議な事にちょっと強くなったりするようです。
私自身は、今回書いたこと以上にもっともっと番組を視て感じた事がありました。ブレインマップにはもっともっといろんなことを書いています。が、しかし、ご自身の感性で番組を視聴してみてください。ご本人が語ってくださっている貴重なシーンが沢山含まれています。
共感する部分も多いと思います。
他者理解を通して、自己理解が進みます。
あなたの人生に、あなたの満足がありますように。
感謝を込めて。
(2021/08/08)